「嫁の実家で僕を待っていたモノとは?」――地獄の関西遠征記録

離婚

家に帰ったら、嫁も子供もいなかった。
リビングには置き手紙と、銀行のキャッシュカード。

「もう耐えられません。離婚します。生活費はここにお願いします」
――それだけ。

心臓がドクドク鳴る音が、7年経った今でも耳に残っている。

慌てて電話するも、繋がらない。
まるでドラマだった。いや、これが俺の現実だった。


関西遠征開始

嫁の実家は関西。
父親はいない母子家庭だが、代わりに「重たい空気をまとった嫁の味方軍団」がいた。

・母子家庭で子供4人を育てあげたお母さん(喫煙者)
・同じ顔が2人いる、ガタイのいい双子の弟
・そして、笑わない年の離れた弟(静かな威圧感あり)
・怒らせたら最後、鉄壁のおばあちゃん

男性陣は全員が「がてん系」で、ちょっとだけ(かなり)怖い。


雨の日の訪問

よりによって、大雨。
玄関前でインターホンを押すと、イキナリ最終ボスおばあちゃんが登場。

開口一番:

「アンタ、よう顔見せられたな。帰り。」

はい、強制退去確定。

必死で食い下がるが、ばあちゃんは鬼の表情でドアを閉める。
心折れそうだったけど、折れるヒマもなく雨ざらしの耐久戦に突入。


玄関前サバイバル

ずぶ濡れになりながら、俺は立ち尽くした。
とにかく会いたかった。話をしたかった。

傘を差してても意味がないくらいの雨。
ポタポタと水がシャツを伝い、靴の中は池。

「これは……罰かもしれん」
そんなことを考えながら数時間。


救世主、現る

しばらくして、双子の弟(比較的静かなほう)がドアを開けて、
一言だけ、こう言った。

「……入ったら?」

神かな? と思ったけど、表情は完全に仏頂面。
でも、ありがたかった。本当に。


嫁と子供との再会

やっとリビングに通されて、嫁と子どもと再会した。

「ごめん。本当に悪かった。戻ってきてほしい」
何度も頭を下げて、気持ちを伝えた。

でも返ってきたのは、壁のような沈黙。
目すら合わせてくれない。まるで俺が“他人”になったみたいだった。

心が折れる音って、聞こえるんだなと思った。


そして、ホテルの夜

その夜は急遽とったビジネスホテルに泊まった。
「本当にもうダメかもしれない」そんなことを思いながら、天井を見上げてた。
眠れなかった。寒かった。でも、心のほうがもっと冷たかった。


【教訓】

嫁が実家に帰ったら嫁の家族はみんな敵。迎えに行くときは全力でボコられると思え。
特に関西人。家族全員が“ボスキャラ”だと覚悟せよ。

次回
なぜかインドカレー店で開始──最大プランをぶつけたが、嫁の覚悟は変わらなかった話

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