なぜかインドカレー店で開始──最大プランをぶつけたが、嫁の覚悟は変わらなかった話

離婚

どうしてインドカレー店なのか、自分にもわからない。

翌日、元嫁と再交渉。待ち合わせ場所に選んだのは、なぜか嫁の実家近くにあるインド料理店だった。
「スパイスで心を溶かせるかも」とか「異国情緒で和めるかも」――そんな軽いノリだったのだろうか。
結果的に、自分でも理由はよく思い出せない。

「これを直すリスト」をその場で見せた。

前夜、必死でノートにまとめた「修復リスト」を嫁に提示した。

  1. 家事や育児の分担
  2. 週末は必ず子どもとの時間を確保する
  3. 夫婦でカウンセリングに通う
  4. その他 諸々…

「これが俺の、最後の最大プランだ」と。

それでも、嫁は「絶対に離婚する」の一点張り。

リストをじっと見つめ、しばらく沈黙したあと、嫁は一言。

「……ありがとう。でも、もう絶対に戻れへん。

このとき、「女性は一度決意したら、気持ちを変えない」という習性を、身をもって理解した。

別居しながら近くで暮らす案も却下。

「だったら、別居でいい。実家近くのワンルームを借りるから。子どもの面倒も見るから」
と提案しても、

「もっと早くそれを言ってくれたら考えたかもしれんけど…もう無理。」

と冷たく返された。
自分の“最大譲歩”も、彼女の覚悟には太刀打ちできなかった。

交渉は平行線――関東へ帰還。

インドカレー店からはしごした喫茶店でも再度粘ったが、議論はまったくかみ合わず。
明日は通常通り、仕事に行かなければばらない。結局、俺は関東へ帰る新幹線の切符を取り直した。

次回予告:遠隔交渉編

物理的な距離ができてしまった今、最後の手段は“リモート交渉”。
LINEメッセージ、ビデオ通話――あらゆるツールを駆使して、離婚を会議できるのか。

次回:「遠隔で壊れていく夫婦──LINEと電話だけで進んだ離婚交渉」

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